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2021.07.09

SARインターフェロメトリ講座の演習例

SARの基礎知識をお持ちの方で、インターフェロメトリ(InSAR)の解析を行いたい方を対象に開講しているSARインターフェロメトリ講座は、InSARセンサの基本原理や解析技術について、実習でソフトウェアを使用しながら理解し、総合演習で実践的に判読・分析する技術を身に着ける講座です。ここでは、202162425日に開講したSARインターフェロメトリ講座で実施された総合演習の結果をご紹介いたします。

 

1.津軽平野の地盤沈下

使用データ : ALOS/PALSAR

Primary
 -ALPSRP128580800
 -20080623 12:59:02.867
Secondary
 -ALPSRP229230800
 -20100514 13:03:22.660
・Offnadir:34.3
・Ascending
・Fine Beam Singleモード
 -10m分解能
 -波長23.5cm
・1サイクルの位相変化≒12cm相当

経過:コヒーレンス画像の生成

Master強度画像(補完)Master強度画像(補完)   ©JAXA

Slave強度画像(補完)Slave強度画像(補完)   ©JAXA

コヒーレンス画像コヒーレンス画像   ©JAXA

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

経過:地形縞の生成

軌道縞軌道縞   ©JAXA

初期干渉縞初期干渉縞   ©JAXA

地形縞地形縞   ©JAXA

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

経過:差分干渉縞の生成、残存干渉縞の除去(Range: 3.0、Azimuth: 2.0)

地形縞(フィルタリング)  ©JAXA

差分干渉縞   ©JAXA

差分干渉縞(除去後)   ©JAXA

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

干渉画像結果

©JAXA

閾値やフィルタリングパラメータなどは、テキスト通りであったが、他の受講者さんの結果例と逆のイメージとなった。その原因は残存干渉縞除去の違いかと推察。

 

現場について

・弘前市と五所川原市、その間を繋ぐ五能線、岩木川に沿って、地盤の沈下が見られる。川沿いに市街地および田畑が広がっており、地下水の汲み上げが影響しているためか。
・青森市の東半分および平野西部端で変動が見られる。

まとめ

・図の解釈は間違っていなければ平野部で12cmも下がっていたが、河川周辺域の変動は大きそうである
・データ判読以上に地形性質や地理要因の解釈が肝要であると分かった
・InSARの正しい理解と、データ判読の経験が必要である

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