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2020.06.23

ウィズコロナ時代に向けた研修のオンライン化


ソーシャルディスタンスを保ちながら開講しています

調査普及課の亀井です。新型コロナウィルスの感染拡大から3か月がたち、多くの方がこの状況に適応しつつあるのではないでしょうか? RESTECでは、このような状況でもリモートセンシングの学習機会を多くの方に提供するため、研修のオンライン化を進めています。

現在、RESTECが「オンライン」で提供している研修は2種類あります。1つは「e-Learning」で、スタジオで録画した動画がメインのコンテンツですが、今回お話ししたいのは、従来RESTECのセミナールームで実施していた集合型の研修をオンラインで提供する取り組みです。

オンライン化の課題

従来の集合型研修とはどのようなものでしょうか。受講者は物理的に東京のRESTECまでお越しいただき、RESTECは実習でデータ解析を行う際のPC、ソフトウェア、衛星データ、ネット環境を用意しています。研修は、①講義、②質疑応答、③実習、④総合演習、⑤理解度テストで構成されますが、③と④では講師補助が受講者への個別指導も行っています。

このような集合型の研修をオンライン化するにあたり、我々がクリアしなければならない重要な課題が3つありました。

  • 受講環境の整備(受講者がPCとネット環境を用意し、事前に必要な教材をセットアップする必要がある)
  • ソフトやデータのライセンス(受講者PCへのインストール/コピーがライセンス上問題のないソフトやデータに限定される)
  • 個別指導の確保(全体の進行を妨げずに個別指導する時間・方法を確保する)

 

参加要件と推奨スペックを提示

それでは、我々がどのようにこの課題をクリアしたかを順番にお話ししましょう。まず、受講環境の整備の問題です。PCやネット環境といったハードの整備自体をお手伝いすることはできませんが、参加に必要な要件と推奨スペック(CPUCORE i5相当以上、RAM8GB以上)を決め、必要なデータやソフトをスムーズに準備できるよう受講者マニュアルを用意しました。

推奨スペックを決めたところで、受講者のPCの性能には当然ばらつきが生じるので、それによって処理や解析にかかる時間が変わります。そこで、通常よりも実習や演習にかける時間を少しだけ増やしています。

 

フリー&オープンデータへの転換

次に、実習や総合演習で使用する衛星データの問題です。商業販売されている衛星データを受講者のPCで使用するには、その分のライセンスを購入する必要がありますが、受講料の中で対応することは不可能です。

一方で、ここ数年は欧米の宇宙機関を中心に、フリー&オープンのデータ配布政策による衛星データの無償化が進んでいます。RESTECの研修でも無償データへの転換を進めていますが、オンライン化でこの流れを加速しています。無償データを使うことで、総合演習で選択できるテーマの幅も広がるという効果もあります。ただし、データによっては1シーンの容量が数GBに及ぶので受講者は注意が必要です。

 

ブレイクアウトセッションの活用

最後の問題は個別指導です。当初、オンラインで個別指導を行おうとすると、参加している受講者全員に聞こえてしまって個別指導ができない、つまり研修のオンライン化は難しいと考えていました。ところがこの問題は簡単に解決しました。

RESTECのオンライン研修はウェブ会議システム「Zoom」を使っていますが、Zoomにはブレイクアウトセッション(=分科会)という機能が備わっています。これは、全体の講義を行っている大会議室とは別に、個別指導用の小会議室を用意するというものです。個別指導を希望する受講者は、講師補助と共に小会議室に移動し、他の受講者に気兼ねすることなく聞きたいことを聞けるようになります。

 

なお、オンライン研修の結果や様子は「受講者の声」でも紹介していますので、関心のある方はご覧下さい。これまでに基礎講座・GEE講座、及びSAR3講座の結果をご紹介しています。

◆ ウィズコロナ時代に向けた研修のオンライン化(その2)
◆ ウィズコロナ時代に向けた研修のオンライン化(その3)

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