エネルギー・環境の資源を有効に使う風力発電地点調査の効率化
陸上での風力発電所設置において、気候や地形の特性から山岳地帯が候補地になるが、起伏の激しい複雑な地形では風が乱れやすく、乱れた風は風車に悪い影響を与えやすい。そのため、建設候補地域の事前調査が非常に重要となる。
そこで衛星データを活用した事前調査で、正確な地形データから数値解析された“風況”の把握が可能になり、陸上における「風力発電地点設置場所」の選定精度が高まっている。
背景・課題
自然エネルギーの有力として期待されている風力発電は、日本でも設置・導入が進められている。現在の主流はプロペラ式風力発電システムで、上空の安定した風を受けて回転することにより性能を発揮する。しかし、日本の山岳地帯は起伏が激しく複雑な特徴を持つ地形は風が乱れやすく、乱れた風により機器の損壊などの悪影響が課題であった。
衛星データを用いた課題解決
3Dの詳細な地形データ「AW3D」を基に、風況解析ソフトウェア(RIAM-COMPACT)による数値解析をすることにより、乱流発生リスクの評価が可能となった。これにより複雑な地形上に安定かつ効率的な発電を実現するため精度の高い事前調査が可能となった。
この事例が応用可能な分野
- 地下水ポテンシャルの見込み地点を予察した水資源開発など
- 地形データを使った浸水シミュレーション
- ビルディング3Dデータを使った都市部の風向解析
- ビルディング3Dデータを使った都市部の携帯電話の電波伝搬解析
- 都市計画の環境評価シミュレーション