第11回ハンズオン講座(2025年4月15日開催)の際にいただいた質問やアンケート内でいただいた内容について、ここにまとめてお答えいたします!たくさんのご質問をいただいた中で重複している内容は集約してお答えしています。今回は衛星データ利用に関して多くご質問をいただきました。
Q. 林業分野において、出荷する木材が今までどのように生育してきたか、伐採区域のその後はどのように変化していくのかを知りたい。加えて衛星画像の解析からバイオマス資源量の推定に興味があるため、機械学習で連動させて実用化したいと考えている。
A: 林業分野の衛星データ活用は昨今、非常にニーズが高まっています。ご希望のすべてを網羅していませんがRESTECの研修では 『森林・林業分野におけるリモートセンシング実務者講座』 をご用意しています。まずはこちらの研修受講から始められるのはいかがでしょうか。詳細はシラバスをご覧ください。
Q. 可視画像で植生の違いを抽出できるのであれば、土地被覆分類や植生観察や、「果物畑」と「森林」の判別方法が知りたい。
A: 画像が持っているデータを抽出して可視化させる手法によって、土地の被覆分類や植生指数を使った画像分類ができます。それらを学べる研修 『光学リモートセンシング講座』 をご用意しています。
Q. 火山の様子を見てみたい。
A: 第8回ハンズオン講座でアイスランドの火山噴火を扱っています。当日資料を参考にVEGAで表示させてみてください。すぐには見えませんのでズームアウトしたり画面を移動させたりすると場所が分かると思います。
Q. 過去から現在に辿って北極の永久凍土の変化、南極大陸の変化、アマゾンの森林変化など環境変動を衛星画像を通してみてみたい。
A: JAXAのマイクロ波放射計(AMSR)シリーズ等は、長年にわたり極域の雪氷を監視しており、情報を公開しています。また、同じくJAXAの合成開口レーダー(PALSAR)は、全球の森林変化のプロダクトを公開しています。下記のウェブサイトをご参照下さい。
https://ads.nipr.ac.jp/vishop/#/monitor
Q. 文化遺産の保護や考古学等で活用できないか、模索しています。
A: 過去、エジプトの遺跡探査に衛星が使われた例があります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsprs1975/36/6/36_6_41/_article/-char/ja/
Q. あまり分析されない地方の街の情報収集などしてみたいです。
A: 衛星画像では現地に行きづらい場所を観ることが出来ますが、現地のリアルと組み合わせて分析するとより詳しい内容が見えてくるかもしれませんのでお試しください。
情報収集結果をリモセン研修ラボ宛にご共有いただけると嬉しいです。
Q. 地震や噴火、台風など自然災害による災害地域(土地の隆起、浸水、土砂崩壊、など)の災害状況の可視化や抽出、戦地の様子など見てみたい。
A: 災害の場面では衛星画像がたくさん活用されています。第11回ハンズオン講座でも2つの山火事事例をVEGAで表示しましたが、発災前後の画像を比較することが大切になってきます。またそれだけではなく、復旧状況の確認場面でも衛星画像が活用されています。防災・災害事例のページを下記にご紹介します。
また、土地利用の分類に関する科目を要している講座 『光学リモートセンシング講座』 や教材に災害に関する事例がある 『SARリモートセンシング講座』 の研修がありますのでご検討ください。
Q. インフラ点検など変化を継続的にとらえるために活用できるのではないか。
A: インフラ点検の場でも衛星画像の活用は進んでいます。事例紹介をHPに用意していますのでご参照ください。
Q. QGISによる解析や利用方法、ドローン測量との組合せに関心があります。
A: 研修では衛星画像の解析を理解する目的でフリーソフトウェアであるQGISを使用して実習や演習を進めていますが、細かい使い方まで説明出来ないため、QGIS研修を行っている株式会社MIERUNEのQGIS講習会の受講をお勧めしています。初心者から学べるQIGSに特化した研修を提供されていますので是非ご活用ください。一般研修ページ下部にQGIS研修のご紹介がありますのでご覧ください。
Q. SAR画像による田植え時期の解析に興味があります。
A: 第8回および第11回ハンズオン講座の当日資料を参考に、関心エリアを見てみてください。
また、農業での衛星画像活用事例もご紹介いたします。
Q. 衛星画像が「Q1. どれだけの精度(分解能)で見られるか?」、「Q2. どれだけの応答速度で見られるのか?」などを知りたい。また、「Q3. 1)街のイベントやお祭りなど。2)通勤時間帯の池袋や新宿や東京などの混雑している所。3)そのほか昼間の都内のJRやメトロ駅周辺など。は見えるのか。」
A1: 分解能の説明についてはYouTube動画がありますのでこちらをご覧ください。
【衛星データ入門⑦/18】空間分解能について ~衛星リモートセンシング~ ※YouTubeのRESTECチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=GPcyWBSvx5Y
A2: 衛星によって異なりますが、Sentinel-2衛星のデータは観測から10時間前後でVEGA(Google Earth Engine)に掲載されています。
A3: VEGAで扱う無償の衛星データでは、分解能が足りないので1)2)3)のような小規模な地物・事象の様子を把握することはできませんが、有償の高分解能衛星であれば、車や人間を捉えることが可能です。
Q. ビジネスへのデータ利活用、事業開発に向けて、どのような衛星が活用でき、どんな分野に活用できるか、今後何ができるのかが知りたい。
A: ビジネスの現場で衛星データを利用する場合、自社で保有しているデータと組み合わせて活用を検討される企業が多く現れています。下記にRESTECのホームページに分野ごとの利用事例を紹介します。また 『宇宙ビジネス情報サイト 宙畑』 にも衛星データ利用事例が掲載されています(https://sorabatake.jp/15698/)。
今回ハンズオン講座で紹介した衛星データ以外にも有料衛星データがありますので、目的に適した衛星データでビジネス活用をご検討ください。
Q. 干渉SARに興味があり、今後業務の獲得を目指したいがどこから始めれば良いか知りたい。
A: 年2回開催している 『SARインターフェロメトリ講座』 をご用意しています。干渉SARに関する商品もありますのでお気軽に問い合わせください。
Q. 衛星夜間光データの研究への活用はありますか。
A: 夜間光データは以前から研究にも使われており、論文も出ています。1つだけ例をご紹介します。
https://fe.sophia.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/62-2.pdf
Q. HISUI ハイパースペクトル画像の放射補正や大気補正に関する講座はありますか。
A: HISUIのデータは扱っていませんが、光学リモートセンシング講座の科目「衛星画像の反射率変換と大気補正」「ハイパースペクトルデータの処理」で、大気補正やハイパースペクトルデータについて講義を行っています。詳しくはシラバスをご覧ください。
Q. Pythonをつかった、衛星画像の解析の講座はありますか。
A: 現在、講座の開発を進めております。2025年度中に当【リモセン研修ラボ】HPやXで内容や開催日を発表できる見込みです。楽しみにしていてください。
Q. 有料の研修がどのくらいの知識が必要かが知りたいです。
A: 各講座にはシラバスを用意しています。そちらに受講要件の項目がありますのでご覧ください。
初めて研修を受ける方にはまず 『リモートセンシング基礎講座』 の受講をお勧めしております。また、対面講座の選び方の説明ページもご案内いたしますのでご参考ください。
Q. VEGAの画像の使用許諾について知りたい。
A: Google社のガイドラインに従い、いかなる形でも画像を変更したり歪めたりしない限り、財団の許可無しでVEGAのスクリーンショットを印刷物及びオンライン記事等に使用することができます。画像だけの切り取りはせず、操作パネルを含めてご利用ください。詳しくはVEGAの利用許諾をご覧ください。VEGAの利用許諾
Q. VEGAはData ExportができないそうなのでURLパラメータで再現出来るようになると良いですね。
A: ご意見ありがとうございます。今後のアップデートの参考にいたします。